「既製品」としての「入れ歯」という話

今日からコンフォートシリーズという新サービスがスタートします。

これまでは全国の歯科医院から入れ歯をお預かりしてコンフォート加工(シリコーン加工)を施すという「受託加工」事業がメインでした。

今回のコンフォートシリーズでは、コンフォート加工された入れ歯そのものの仕様や価格を規定し、広く一般社会にご案内をしていきます。

言わば、メーカー(当社)が入れ歯という「商品」を社会に提案していく、そんな流れをつくろうという試みです。

 

歯科業界の皆様にはもしかしたら賛否両論あるかもしれません。

・入れ歯は「医療」であって「商品」ではない。

・価格は歯科医師が決めるものであって技工所(メーカー)が決めるとは何事だ。

などなど。これはこれで仰る通りです。

 

一方、今回この企画を進めるにあたって、多くの歯科業界の中の方々からも背中を押していただいてもいます。

実際、8月中旬に取扱歯科医院の募集をスタートして、まだほぼ営業ができていないにもかかわらず、非常に多くの歯科医院にすでにご加盟いただいております。さらに毎日お申込みが続いています。

 

今回のコンフォートシリーズで挑戦したいこと、変えていきたいことの一つに、「既製品」としての入れ歯を提供するということ。

入れ歯はその製作工程において、歯科技工士の技能、歯科医師の印象(型取り)の技能に頼る、いわゆる患者さんの顎に合わせたオーダーメイド品です。その時点で「既製品」ではありません。

しかし、そのオーダーメイドであることが消費者との距離を遠ざけているとも感じていました。

 

「わかりにくい」

それが一般社会からみる歯科業界、歯科診療(特に自由診療)だと思います。

 

だからこそ今回、とにかくお客様である入れ歯利用者、もしくは入れ歯を検討している人に対して「わかりやすく」すること。それにはオーダーメイド品である入れ歯を「既製品」化していくことがとても大事だと思いました。

価格を決める、材料を決める、工程を決める、取扱医院を決める。

「技能」の部分は歯科医院によってばらつきはあります。それでも可変要素を極力減らすことで、お客様にとってわかりやすい「商品」となることが、入れ歯の普及に必要なことと考えます。

 

実際、「価格を決める」ことを決断してから、色々なことがやりやすくなりました。

これまで知り合いから「いくらするの?」と聞かれても「医院によって違う」としか答えられなかったのが、「1本抜けただけならソケット98,000円(税別)」って言えるようになった。

これはこれでとても大きいことなのです。アタリマエのように聞こえるかもしれないですが。

 

こうした効果はおそらく加盟いただいた先生方や営業してくださる代理店の皆様も感じていただけるでしょうし、その分かりやすさはきっとお客様にも届くだろうなと思っています。

 

そして、この「価格を決める」ことが、自由診療の入れ歯の「既製品」としての相場観を形成することに寄与できれば、もっと高い技能をもって高品質な入れ歯を提供している医院はさらに高付加価値な「技能」を高価格で提供できるようになるとも思っています。(実際当社のハイライフグループがまさにそれで、義歯が上手な先生方のグループですので、さらに高付加価値の「技能」を提供できます)

 

その先には、日本初の「商品」としての入れ歯を海外で提供すること。

「技工」としてのコンフォート加工ではなく、「商品」としての日本初の入れ歯を世界へ。これこそクールジャパンだと本気で思うのですよ。だって日本の技術で高齢化が進む世界の中で、世界中の噛めない人を噛めるようにするのだから。

と、妄想は膨らむばかりですが、あながち出来ないことでないし、さっそく動きはじめてもいます。楽しみ。

 

「決めること」はその先の道筋を照らすことだなと。改めて。

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