働き方の多様性について考えていますという話

最近、社員の働き方の多様性について考えることが多い。

産休に入る社員が続いたことをキッカケにして、彼女たちが働きやすい環境ってなんだろうと考えたり、在宅勤務ってどうなんだろうと考えたり。

また、全社総会や理念研修を通じて「社員」に求める価値観みたいな話をする機会が多いのですが、そもそも「社員」とはなんぞやと。また、会社が求める「価値観」ってなんだんだと。

中には役割・機能を果たすことで貢献してくれているメンバーもいて、そうしたメンバーにはそもそも会社の理念や要求ってどれくらい求めるべきなんだっけとか・・まぁ、色々考えます。

そんな中で手にとったのが、サイボウズの人事について書かれている「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久サイボウズ社長著)

創業当初からの赤裸々な人事に関する話やその時に起こったこと、経営陣と従業員の認識の違いから生まれるすれ違いなど、あぁ、サイボウズでもこんな感じだったんだと勇気をもらうのと同時に、当社における働き方の多様性についてさらに真剣に考えるヒントを沢山もらいました。

社員が増えていく中で、職種も年齢も生活環境も、最近だと国籍も多様化してきて、「働く」ということへの価値観や考え方、生活とのバランスなどもそれに合わせて多様化してきています。

会社のトップとしては、どうしてもメンバーに「こうであって欲しい」と求めてしまうし、アテにしてしまうことが多くあります。その「こうであって欲しい」が握れるメンバーはそれでいいし、でも人によってはその握り具合の深さ浅さが色々出てくる時にどうしたらいいのか、そんなヒントをこの本でももらいました。

何かをアテにした時って、そのアテが外れた時にはフラストレーションが溜まるし、でもそれってメンバーにとってもはた迷惑な「アテ」だったりしますからね。

そう言えば、前職同期で「りえママ」と呼ばれる友人がそれこそ10年以上前に、なにかの話の流れで「ゆうすけ、相手に「期待」するのはいいけど、「アテ」にしちゃいけないわ。アテにするとアテが外れた時にショックだけど、期待が外れただけならそこまでダメージうけないから」と教わったことを思い出しました。このフレーズはなにかある度にりえママの顔とともに思い浮かんでくるキーフレーズなのですが。

 

ま、期待とアテの話はさておき、当社も従業員の色々な幅が広がったからこそ今、当社内での働き方の多様性を考える時期に来ているのかなと、色々なタイミングが重なって考えているところです。

 

要は、画一的なものを求めるのをやめて、いくつかの軸の幅に合わせて働き方のバリエーションをもたせるということですね。

冒頭に書いた子育てしながらの働き方もあれば、介護をしながらの働き方というケースも今後増えてくると思います。今はまだ当社には居ませんが。

当社の場合は「勤務時間」「勤務場所」という軸と、企業理念や組織・個人の成長へのコミットメントや「役割・機能」を定義した中での働き方など、そのあたりを軸にして、個々人が働きやすい、それでいてチームとして最大限のパフォーマンスが出せる組織づくりをしていきたいなと思っています。

 

 

 

 

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【読感】大企業も元々はベンチャーだったよねという話

広島は雨です。せっかく朝ランでオバマさんに倣って平和記念公園に行こうと思いましたが雨なのでやめました。

今日はこの後福岡に入って福岡でセミナー。夜東京に戻ります。

さてさて、昨日のエントリーでも「大手企業でも創業期や成長期はベンチャーっぽかったはず」的なことに触れましたが、この本はまさにそんなのを伝えてくれています。

シャープの伝説のエンジニア佐々木正さんの伝記的なものですが、一気に読めますし、内容もかなりお勧めです。

佐々木正さんと言えば、孫さんがソフトバンク立上げ前に自動翻訳の特許をシャープに1億で売ってそれを元手に事業をはじめたという話は有名ですが、それを買った人、孫さんの融資の保証人になった人といったあたりで有名な方ですが、この方、昔の日本が電子立国になっていくに際し、とてつもなく大きな役割を果たされた方だったんですね。

話の中で出てくる登場人物も、孫さんや西さん、ジョブズなど、今の時代を創った方々への裏には佐々木氏が居て、日本のみならず世界の今の潮流の真ん中にいらした様がとてもよくわかりました。

 

ここで出てくる「共創」という言葉は、とても共感できます。

自社の技術を隠す、ノウハウを隠す、産業競争的には合理的かもしれませんが、そもそもその技術は社会のためにあるものだから、教えを請いたいときたら隠さず教える。そんなスタンスが社会の進歩を促していくものと思います。

シャープの失敗は、なんでもかんでも1人でやろうとしたこと。「オンリーワン」や「ブラックボックス戦略」はいささか傲慢だ。すべてを自分たちでやり、成果を総取りしようという意図が見えるが、イノベーションとは他の会社と手を携えて新しい価値を生み出すこと。

というくだりがあります。まさにそうですよね。

市場をこれから創っていく時に、自分たちだけでというのは傲慢だしおこがましいと思う。

社会のため、市場のため、顧客のために、企業同士がまさに「同志」として取り組んでこそ、創造が生まれると私も信じています。それは入れ歯市場でも同じこと。

ここで出てくるカシオとの計算機競争など、ここでは競合し競争をしている話ではありますが、まさにベンチャー気質そのもの。シャープは今は色々大変でしょうけれど、昔のシャープはもとベンチャーだったんですね。

この読後感は、元住友銀行の頭取だった西川氏の自伝、「ザ・ラストバンカー」を読んだ時と似ているかも。

銀行も昔はもっと尖っていたし、彼らのギリギリの頑張りで日本の経済が支えられていた感が伝わる一冊。

銀行にしても大手企業にしても、やはりそうなる過程ではとてもベンチャー的だったろうし、それが日本の高度成長をつくってきたのだと思う。

今や日本経済は停滞し、ちょっとギラギラしようとすると、労働時間がどうだとかブラック企業がどうだとか、とにかく勝負しにくい社会になってしまっています。

そんな中でイノベーションなど起こるはずもないし、そのくせ日本はまだまだ進んでいる国だと思う勘違いが蔓延していますよね。「やっぱり日本すごいじゃん」的な。

あぁ、書きながら色々残念になってきた。。

要するにですね、やはり仕事の醍醐味はギラギラと勝負していくことだし、そうした中で市場を、社会をつくっていくことだし、今ある社会は過去の先人たちが創りあげたものであって、そこにのっかってあぐらをかいたとたんに自分も社会も成長が止まるよねと。

だから、今のそしてこれからの自分の仕事というのは、30年後の日本だったり世界だったり自分だったりを創ることだというように思えば、今なにをすべきか、どういう働き方をすべきかが見えてくるように思います。

少なくとも、過去の先人達が創った今の仕組みの中で働くことは、それこそAIに置き換わられる仕事になるんじゃないかな。

未来を見据えて創造をすること。これはAIには決してできない(たぶん)、我々が今やるべき仕事だと思います。

 

茶色のシマウマ、世界を変える

茶色のシマウマ、世界を変える—日本初全寮制インターナショナル高校ISAKを作った小林りんの物語・・・読了。

とても刺激的な本だった。Forbesの表紙を飾ったりダボス会議のYoung Global Leadersの1人に選ばれたり、それはそれは経歴も実績も素晴らしい「本物」のグローバル・リーダーの方なんだろうなと。歳は同じ年。同世代でこういう方がいらっしゃることは改めてとても刺激を受けました。

そして、「本物」ってこうなんだろうな。派手ではなく、でしゃばるわけでもなく、でも自分の信念を貫き通していると周りが放っておかないと。

そしてこの方の場合はその確固たる信念だけでなく、その努力しつづける才能と天性の能力とをして大きなことを成し遂げる。でもきっと本人はまったく満足しておらず、理想の実現のためにさらに走り続けるんだろうな。そんな印象をもちました。

本の前半は小林女史の生い立ちから信念というか人生をかける背骨が出来上がるまでの物語。ここがやはりおもしろい。後半は学校設立に向けたご苦労とその壁をどう乗り越えたかの話だけれども、ここはおそらくなにか新しいことを生み出したり、創業したりした方がみんな経験するであろうお金と人とモノの苦労話。

小林女史だからこそ乗り越えられたこともあるでしょうし、その能力・才能・粘り強さをもってして超えてきた部分もあるでしょう。でもここは大なり小なり皆経験していることなのかな。

 

とても刺激を受けた一方、改めて自分の周囲を見渡すと、なんだ、規模の大小や方向の違いはあれども、自分の周りには信念もって愚直に取り組み、夢や理想を形作っている人結構いるじゃんと改めて気付かされました。

本になるほどではないかもしれない、規模はグローバルではないかもしれない。でも、それぞれがもつ信念やこだわり、理想を掲げ努力して一歩一歩叶えている人が沢山周りにいること。これこそ私自信の財産だなとこの本を読んで気付かされました。

かくいう私も「入れ歯で世界平和」を掲げて愚直にやっているクチだと自負していますが、周りのそうした方々、そしてこの本の主役である小林女史の物語を読んでいて、今自分が40代だからだと思うけれども、周りのそうした信念を貫いている皆さんも、30代の過ごし方が結構大事だったんじゃないかなと。

これが50代だったら「40代の過ごし方が大事」と思うかもしれないし、30代だったら「20代の過ごし方が大事」と思うかもしれない。

要は、今の自分を形づくっているのって、過去10年間をどう過ごしたかの影響が大きいように思います。

一見つながらないように見える活動や仕事も、後から点と点がつながる(本の中にも出てくる、Steve JobsのStanfordでのスピーチでの一節)ことは後から思うと自分自信実感することもあるし、自分の根本にある「解決したい社会課題」があり、直接的にそこに関わる仕事でなかったとしても、目の前の仕事を愚直にやっていると、いつかどこかでそれが繋がるんだろうなと。うまくいえないけど、そんな感じ。

あとは、「自分が為すべきことはなにか」ということを強烈に自覚しているかどうか。

これは、私の周りのそうした方々にもこの小林女史にも共通していることで、誰かに言われてやっているではなく、誰に頼まれたわけでもないけれど、自分の社会の中での為すべきことはコレだ、自分はこの仕事を通じてこうしたことを実現するんだという、強烈な自己をもっているように思います。

それがあると、仕事も人生も本当に楽しくなる。苦労を苦労とは感じなくなる。そんな感じかな。

 

あとがきにある、小林りん氏にあるジャーナリストが贈ったという言葉がとても素敵なのでご紹介。

Your calling is where your heart’s joy connects with the world’s deep pain.

〜自分が心底楽しいと思えることが、世界の深い悲しみと出会った時に、あなたは自分の運命と出会う〜

「深い悲しみ」だけではないとは思う。でも、自分が心底楽しいと思えることが、世界の(社会の)◯◯と出会った時に運命と出会う・・ということ、それが自分がなにを為すべきかを強烈に自覚するきっかけになるんだろうな。

企業家としての国家

読了。

産業を生み出しているのは企業ばかりがスターなのではなく、そのシードを生み出しているところには国の役割が非常に大きいよ、みんなそこ見落とさないでねという本。

Appleの技術には国が開発を支援したものばかりが使われていて、Appleが成功したのは国の力が大きいことや、一方で国が支援して成功したテクノロジーの経済的恩恵を一部の企業が得ていることへの問題点なども指摘しています。

読後感としては、本の内容に少しかぶるところはあるのですが、霞が関の皆様はやっぱりとてつもなく凄いよなということ。

だって、国家を一企業と見立てたとしても、舵取りを誤るとその国が亡くなるところで戦っているのが霞が関の皆さん。

企業だったら失敗しました倒産しました破産しました・・で確かに従業員もお客様も困るけれども、国が亡くなるなんてことには当然ならない。でも外交的には判断を誤ると本当に取り返しのつかないことになる。世界中からの情報を分析してその適確な判断をするなんて、企業家の比じゃないプレッシャーだよなと。

産業面でもそうで、昔技術移転事業に携わっていた時、JST(科学技術振興機構)のグラントは、その権利帰属が国になってその後の扱いが面倒だとか(今はどうなっているか存じ上げませんが・・)、どこまでちゃんと技術評価をしてグラントの配布を決めているのかという不信感(というはただの私の無知ですが)とかで、なんだかなぁという感じで思っていましたが、

この本にもあるように、短期的な投資案件ではなく、国策としての10年先20年先の日本の産業を見据えた投資をする判断は、国家の道筋を定めながら投資をしていく難しさはベンチャーキャピタルのそれともまた異質でありながらも高度な判断が求められるものだなぁと。

大手企業とタッグを組んでなにかの領域に投資をすること、ODAなどで企業と組んで世界に出ていくこと、これらもすべて一企業ではなしえない規模の国家間の勝負をしているのであって、仕事としても最高にオモシロイでしょうね。

ただイメージとして国家公務員は民間とくらべてリスクをとっていないだとか、「お役所仕事」だとか言われてるけれど、それに一部のメディアがそうした霞が関の頑張りを揶揄したり足引っ張ったりするもんだから、そういう風に見られることも多いだろうし、また、もちろんそういう側面もあるだろうけれど、その中のスタープレイヤーが国をちゃんと守って導いてくれているんだろうなぁと思うと、「企業家としての国家」というタイトルはさもありなんと思います。

ということで、霞が関の皆様頑張ってください。

(たぶん本書の読み方間違ってる。でもいいの。)

可能性の大国インドネシア

読了。

急成長する国であり、世界4位の人口を持つ国であり、親日国。

遠いように思えて飛行機で一晩で行ける距離なので、いやはや地球は狭くなったなと・・

ここ1年、仕事で訪れることが多くなり、実際にコンフォートのプロジェクトが進んでいますが、当然ながらまだまだその国のことを知らないことの方が多い。

多くの島で形成される国だからこそ、我々が出張で行った時に見る都心の景色はその国の極一部の風景であり、今のその都市の風景は今のものでしかない。

森林の奥に住む原住民のことだとか、今の国家が出来るまでの政治の変遷だとか、その国の皆さんが人生の中で経験してきたことの端緒を少しでも知ることは、その国で事業を進める上においてとても大事なことだなぁと改めて感じました。

政治のこと、歴代の大統領のこと、宗教のこと、森林伐採にともなう自然破壊のこと、汚職のこと・・・色々な側面があるこの国のことをわかりやすくまとめられていて、とても勉強になりました。

 

 

START UP NATION

社員に薦められた本、START UP NATION読了。

日本語版のタイトルは

アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?(長っ!)

初版が2012年ですから少し古い本ですが、遠い国イスラエルのことが少しでも知れて面白かったです。

ちなみに、薦めてくれた社員がもっていたベトナム語版と、どうせだったら英語で読もうと取り寄せた英語版と日本語版を並べるとこんな感じ笑

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なぜ日本語版は白青反転なのか?そしてなにより、この本のアイコンがなぜ日本語版だけイスラエル国旗ではないのか?

うーん、なんだろう、このどーでもいい政治的ななにかを回避するような保守的な姿勢(違うかもしれないけど)。

イスラエルのスタートアップマインドを解く本を出す側がこの姿勢ではいかんですね、ホントに。

 

そして感想。なぜイスラエルに有望なスタートアップが生まれやすいか。

一言で言えば、その歴史的環境的な不遇さから産まれる国全体の「タフネス」なのかなと。

ちょうど先週くらいにCoCo壱番屋の社長の壮絶な生い立ちが話題に上っていましたが、日本においても、成功した経営者、事業家の方ってその生い立ちやこれまでの人生において、想像を絶するようなご苦労があったり、とても深い悲しみや業のようなものがあったり、その(社会的にみた時の)成功の陰の深い暗い部分がなにかの原動力になっているようなケースが多いように思います。

もちろん全員がそうだというわけではないし、当のご本人がそこまで思っていなかったりというのもあるのかもしれませんが所感として。

で、イスラエルという国は、その歴史もさることながら、今現在も周辺アラブの国との微妙な関係の中で、若いうちから課せられる兵役、その元となっている生存に対する緊張感、そして生きるために自国だけでは市場がないから、当たり前のようにグローバルに事業を見なければいけない宿命。

なんか、そんな生きる上でのタフネスがまたにタイトルにあるSTART UP NATION なんだなと思いました。

というか、そういう本です。決してアップルやグーグルがなぜイスラエル企業を欲しがるのかっていう話ではないです。なんですか、このタイトルは?

日本で事業をしている我々にとっては、中途半端に市場がある日本、政治的にも軍事的にもわりと安心安全の中で生活できる日本、比べるものではないけれども、そのタフネスを育む土壌としてはまったく太刀打ち出来ないよなというのが率直な感想。こればかりは仕方ないのだけれども。

最近アジア諸国との仕事が増えてきている中で、我々日本人も、もう日本だけの市場を見ていてはダメで、日本の特技をもって世界で勝負する、そんなことを考える日々の中で、イスラエルの起業家のタフネスに少しでも危機感をもって、世界市場に挑まなければなと思いました。